子どもが気持ちを切り替えられないのはなぜ?「わがまま」だけではない理由【第1弾】

白ゆりグループ

「もう終わりだよ」の一言で大泣き…こんなことありませんか?

「公園から帰ろうとすると、『まだ遊ぶ!』と大泣きする」

「ゲームや動画を終わらせようとすると怒ってしまう」

「朝、遊びをやめて着替えてほしいのに、なかなか動いてくれない」

「予定が急に変わると、気持ちが大きく乱れてしまう」

このような「気持ちの切り替え」について、悩んでいる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

時間がない朝や、夕食・お風呂・就寝など次の予定が決まっているときほど、

「もう終わりって言ったでしょう」

「いつまでやっているの?」

「早くして!」

と、つい声をかけたくなりますよね。

何度伝えても切り替えられない日が続くと、

「わがままなのかな?」

「言うことを聞こうとしていないのかな?」

「甘やかしてしまったのかな?」

と心配になることもあるでしょう。

しかし、子どもが気持ちを切り替えられない背景は、「わがまま」の一言だけでは説明できません。

今していることを終える。

次にすることを理解する。

「まだやりたい」という気持ちを落ち着かせる。

そして、次の行動へ移る。

実は「切り替える」という行動には、いくつもの力が必要です。

今回は、子どもが気持ちの切り替えを苦手とする背景について、毎日の生活で見られる具体例を交えながら考えていきます。

「切り替える」って、実は難しいことです

大人は「おしまい」と言われれば、比較的すぐ次の行動へ移れることが多いでしょう。

しかし、子どもにとってはそう簡単ではないことがあります。

例えば、大好きなブロックで一生懸命お城を作っているとします。

「もう少しで完成する!」

と思っているところへ突然、

「ご飯だから片付けて」

と言われたらどうでしょう。

大人でも、集中している仕事の途中で突然「今すぐやめて別のことをしてください」と言われると、戸惑うことがあります。

子どもも同じです。

特に、好きな遊びに夢中になっているときには、気持ちが「遊び」に強く向いています。

そこから、

遊ぶ → やめる → 片付ける → 食事へ行く

と行動を変えるには、気持ちと行動の両方を切り替えなければなりません。

そのため、「聞こえているのに動かない」という様子だけを見て、すぐに「言うことを聞かない」と判断しないことが大切です。

「まだやりたい!」という気持ちが強い

切り替えが難しくなる分かりやすい理由の一つが、今していることをまだ続けたいという気持ちです。

公園、ゲーム、動画、おもちゃなど、お子さまにとって楽しい活動であればあるほど、終わりを受け入れることが難しくなることがあります。

例えば、

「公園から帰るよ」
→「まだ遊びたい!」

「ゲームは終わり」
→「あと一回!」

「動画を消すよ」
→「次も見たい!」

という場面です。

ここで大切なのは、「まだやりたい」と感じること自体は悪いことではないということです。

大好きなことを続けたいと思うのは自然な気持ちです。

一方で、成長していく中では、「やりたいけれど今は終える」という経験も必要になります。

だからこそ、気持ちそのものを否定するのではなく、

「まだ遊びたかったんだね」

と気持ちを受け止めながら、次の行動へ移りやすくする方法を考えていくことが大切です。

「次に何をするのか」が分からないと不安になることも

子どもが切り替えられないときは、今の活動を終えることだけでなく、その次に何が起こるのか分からないことが関係している場合もあります。

例えば、大人は、

「公園から帰る」

「家に着く」

「手を洗う」

「夕食を食べる」

「お風呂に入る」

という先の予定を頭の中でイメージできます。

しかし、お子さまによっては「帰るよ」と言われても、その後の流れまでイメージしにくいことがあります。

先が分からなければ、不安になるのも自然なことです。

特に予定が突然変わったときに、

「そんなの聞いてない!」

「行きたくない!」

と強く反応する場合には、「変更そのものが嫌」というより、これから何が起こるのか分からない不安が大きくなっている可能性もあります。

「次は何をするのか」「その後はどうなるのか」という見通しを持てることは、気持ちを切り替えるうえで大切なポイントです。

時間の感覚がまだ分かりにくいこともあります

大人が何気なく使う、

「あとちょっと」

「もうすぐ」

「5分後」

という言葉。

実は子どもにとって、分かりにくい場合があります。

例えば「あと5分だよ」と伝えても、「5分」がどのくらいの長さなのかイメージできなければ、突然終わらされたように感じることがあります。

大人にとっては十分に予告したつもりでも、子ども側では「いきなり終わった」と感じているかもしれません。

そのため、気持ちの切り替えを考えるときには、言葉だけではなく、

  • タイマー
  • 時計
  • 絵や写真
  • 「あと3回滑ったら帰る」
  • 「この動画が終わったらおしまい」

など、終わりを目で見たり、具体的な回数で理解したりできる方法が役立つことがあります。

楽しいことから「苦手なこと」への切り替えはさらに難しい

同じ切り替えでも、

「宿題が終わったらゲーム」

と、

「ゲームを終えたら宿題」

では、子どもの反応が大きく違うことがあります。

楽しい活動から、苦手な活動や面倒に感じる活動へ移るときは、特に切り替えが難しくなりやすいものです。

例えば、

ゲーム → 宿題
テレビ → お風呂
公園 → 帰宅
おもちゃ → 片付け

などです。

このような場面で動けないと、「好きなことしかやらない」と見えてしまうかもしれません。

しかし、

「今の楽しいことを終えるつらさ」

と、

「これから苦手なことを始める負担」

が同時に重なっていると考えると、お子さまの行動を少し違った角度から見ることができます。

予定変更が苦手なお子さまもいます

「今日は公園へ行く予定だったけれど、雨だからスーパーへ行こう」

大人にとっては、よくある予定変更です。

しかし、お子さまによっては、このような突然の変更に強く戸惑うことがあります。

「公園に行くと思っていたのに!」

「絶対行く!」

と泣いたり、怒ったりすることもあるでしょう。

これは必ずしも、「自分の思い通りにしたい」という理由だけではありません。

頭の中で「今日はこうする」と予定を組み立てていた場合、その予定が突然変わることで、気持ちを整理するのに時間が必要になることがあります。

そんなときに、

「雨なんだから仕方ないでしょ!」

正しさだけを伝えても、すぐには気持ちが追いつかないことがあります。

まずは、

「公園に行きたかったね」

気持ちを受け止め、そのうえで「今日は雨だから○○に変更するよ」と次の予定を分かりやすく伝えることが大切です。

大泣きや怒りは「困らせたい」からとは限りません

切り替えられないとき、

泣く。

怒る。

物を投げる。

その場から動かない。

「イヤ!」と何度も言う。

こうした行動が見られることもあります。

周囲の大人が困ってしまう行動ではありますが、お子さま自身も「どう気持ちを整理すればいいのか分からない」状態になっている可能性があります。

まだ気持ちを言葉で十分に表現できない場合、

「本当はもっと遊びたかった」

「急に変わってびっくりした」

「次に何をするか分からなくて不安」

「嫌だけど、どう伝えればいいか分からない」

という気持ちが、泣く・怒るといった行動として表れることがあります。

行動だけを見るのではなく、その行動の前に何があったのかを見ることが、お子さまを理解するヒントになります。

「切り替えられない子」ではなく「切り替えるために時間や工夫が必要な子」

気持ちの切り替えが苦手なお子さまを見ていると、どうしても「できないこと」に目が向きやすくなります。

しかし、大切なのは、

「この子は切り替えられない」

と決めつけることではありません。

例えば、

「5分前に知らせると動きやすい」

「タイマーがあると納得しやすい」

「次の予定を伝えると安心できる」

「気持ちを言葉にしてあげると落ち着きやすい」

など、その子なりの「切り替えやすい条件」が見つかることがあります。

「できる・できない」ではなく、

「どうすれば切り替えやすくなるだろう?」

という視点を持つことが大切です。

そして、昨日は大泣きしていたけれど、今日は少し早く気持ちを切り替えられた。

「まだ遊びたい」と言葉で伝えられた。

タイマーを見て、自分から片付け始められた。

そんな小さな変化も、お子さまにとって大切な成長です。

焦らず、一人ひとりに合った方法を探していきましょう。

次回は「切り替えが苦手な子への声かけ」を具体的にご紹介します

今回の記事では、子どもが気持ちを切り替えにくい背景についてご紹介しました。

「わがままだから」

「言うことを聞かないから」

と行動だけを見るのではなく、

「どうして今、切り替えることが難しいのだろう?」

と考えてみることで、関わり方が変わることがあります。

第2弾では、さらに一歩進んで、

「公園から帰りたがらないときは何と言えばいい?」

「ゲームをやめられないときは?」

「怒っている最中に説得したほうがいい?」

といった具体的な場面を取り上げながら、切り替えが苦手なお子さまへの声かけと、避けたい対応についてご紹介します。

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