『ただの不器用』ではないかも?発達性協調運動症(DCD)とは|子どもの困りごとを理解する第一歩【第1弾】
「うちの子、運動が苦手なのかな…」
「体育の時間になると不安そうにしている」
「字を書くのに時間がかかるけれど、ただ丁寧なだけ?」
「ボタンを留める、箸を使う、ハサミを使うなど、手先の動きが少し気になる」
お子さまの様子を見ていて、このように感じたことはありませんか?
子どもの成長には個人差があります。走るのが得意な子もいれば、絵を描くことが好きな子、じっくり考えることが得意な子もいます。そのため、運動や手先の動きが苦手に見えても、「そのうち慣れるかな」「性格の問題かな」「練習すればできるようになるかな」と様子を見ることも少なくありません。
しかし、日常生活や学校生活の中で困りごとが続いている場合、その背景に発達性協調運動症(DCD)という特性が関係していることがあります。
発達性協調運動症(DCD)とは、簡単に言うと、目で見た情報や体の動き、手足の動かし方をうまく組み合わせることが苦手で、年齢相応の運動や手先の動作に難しさが見られる状態のことです。

たとえば、「ボールを受け取る」「縄跳びをする」「階段をスムーズに上り下りする」「字を書く」「箸やハサミを使う」といった動作に苦手さが出ることがあります。
大切なのは、これは“やる気がない”“努力していない”ということではない、という点です。
本人は一生懸命取り組んでいるのに、思うように体が動かせず、周囲から「もっと頑張って」「どうしてできないの?」と言われてしまうことで、自信をなくしてしまうこともあります。
発達性協調運動症(DCD)という言葉は、まだあまり聞き慣れないかもしれません。けれど、こうした特性を知ることで、お子さまの困りごとを「できないこと」として見るのではなく、「どうすれば取り組みやすくなるか」という視点で考えられるようになります。
早く気づくことは、お子さまを焦らせるためではありません。お子さまに合った関わり方や環境づくりを見つけ、「できた!」という経験を増やしていくための大切な第一歩です。
今回は、大阪市東住吉区の児童発達支援・放課後等デイサービスである運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉が、発達性協調運動症(DCD)について、保護者の皆さまにも分かりやすくご紹介します。

「不器用」とDCDは違うの?
「うちの子は少し不器用で…」という言葉は、保護者の方からよく聞かれます。
実際、子どもの発達には個人差があります。運動が得意な子もいれば、手先を使う作業がゆっくりな子もいます。少し練習すればできるようになることも多く、「不器用=すぐに問題がある」というわけではありません。
しかし、発達性協調運動症(DCD)の場合は、単に「運動が苦手」「手先が不器用」というだけではなく、年齢に応じて期待される動きの習得が難しく、その影響が日常生活や学校生活の中に表れやすいことが特徴です。
たとえば、走る・跳ぶ・投げる・受け取るといった大きな体の動きが苦手だったり、ボタンを留める・箸を使う・ハサミで切る・文字を書くといった細かな手先の動きに時間がかかったりすることがあります。
日常生活では、着替えに時間がかかる、食事中にこぼしやすい、靴ひもを結ぶのが難しい、階段の上り下りがぎこちない、よく物にぶつかるといった様子が見られることがあります。
学校生活では、体育の授業に強い苦手意識を持つ、縄跳びやボール運動がうまくいかない、板書に時間がかかる、ノートの字が乱れやすい、工作や図工で道具を扱うのが難しいなど、学習や集団活動にも影響することがあります。

ここで大切なのは、本人が「やる気がない」のではないということです。
DCDのあるお子さまは、頭では「こう動きたい」と分かっていても、体の動きが思うようにつながりにくいことがあります。そのため、本人は一生懸命取り組んでいるのに、周囲からは「ふざけている」「努力が足りない」「もっと練習しなさい」と見られてしまうこともあります。
そのような経験が続くと、お子さまは「どうせ自分はできない」「体育は嫌い」「みんなの前でやりたくない」と感じ、自信をなくしてしまうことがあります。運動面の苦手さだけでなく、自己肯定感や集団参加への意欲にも影響する場合があるのです。
もちろん、転びやすい、字を書くのが遅い、ボール遊びが苦手といった様子があるからといって、必ずDCDというわけではありません。成長のペースや経験の差、緊張、不安、視力、姿勢、環境など、さまざまな要因が関係していることもあります。
だからこそ、「この子は不器用だから仕方ない」と決めつけるのではなく、「どんな場面で困っているのか」「何が難しそうなのか」「どうすれば取り組みやすくなるのか」を丁寧に見ていくことが大切です。
お子さまの苦手さに早く気づくことは、できないことを責めるためではありません。必要な工夫や支援につなげ、「できた!」という経験を少しずつ増やしていくための第一歩です。

DCDは珍しいものではありません
発達性協調運動症(DCD)という言葉を初めて聞くと、「特別なケースなのかな?」「うちの子だけなのかな?」と不安に感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、DCDは決して珍しいものではありません。発達性協調運動症は、子どもの約5〜6%にみられるとされており、単純に考えると、1クラスに1〜2人程度いる可能性があるとも言われています。
つまり、「運動が極端に苦手」「手先の動きがぎこちない」「日常生活の中で不器用さが目立つ」といった困りごとは、決してその子だけの問題ではないということです。
また、DCDは注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)、学習面の困りごとなど、ほかの発達特性とあわせて見られることもあります。
たとえば、ADHDの特性があるお子さまの場合、注意がそれやすかったり、衝動的に動いてしまったりすることで、運動や作業の手順がうまくつながりにくいことがあります。ASDの特性があるお子さまの場合は、感覚の受け取り方や見通しの持ちにくさが、体の動かし方や集団活動への参加に影響することもあります。
このように、DCDは「運動だけの問題」として見るのではなく、お子さまの感じ方、考え方、集中のしやすさ、生活リズム、学校での過ごし方など、さまざまな面と関係している場合があります。
だからこそ大切なのは、「できないこと」だけを見るのではなく、「どんな場面で困っているのか」「どんな環境なら取り組みやすいのか」「どんな声かけなら安心できるのか」を丁寧に見ていくことです。
DCDについて知ることは、お子さまに診断名を当てはめるためではありません。お子さまの困りごとの背景を理解し、その子に合った支援や関わり方を考えるための大切なヒントになります。
「うちの子だけかもしれない」と抱え込まず、気になることがあれば、学校や専門機関、児童発達支援・放課後等デイサービスなどに相談してみることも一つの方法です。

大阪市東住吉区にある運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉でも、お子さま一人ひとりの発達段階や特性に合わせて、「できた!」という経験を積み重ねられるような運動療育を大切にしています。
「できない」ではなく「やり方が違う」
運動や手先の動きが苦手なお子さまは、周囲から「もっと頑張って」「練習が足りないよ」「どうしてできないの?」と言われてしまうことがあります。
しかし、発達性協調運動症(DCD)のあるお子さまは、決してやる気がないわけではありません。本人は一生懸命取り組んでいても、体の動かし方や力加減、タイミングの取り方がうまく合わず、思った通りに動けないことがあります。
たとえば、ボールを受け取る場面では、ボールの動きを目で追いながら、手を出すタイミングを合わせ、体の向きも調整する必要があります。一見簡単そうに見える動きでも、実はいくつもの動作を同時に行っています。
また、字を書く場面でも、鉛筆を持つ力、姿勢、目で見る位置、手首や指先の動きなど、さまざまな力が必要です。そのため、「きれいに書きなさい」と言われても、どこをどう直せばよいのか分からず、本人にとっては大きな負担になることがあります。
大切なのは、「できない」と決めつけるのではなく、「この子にはどんな方法なら分かりやすいかな?」と考えることです。
たとえば、動きを小さなステップに分ける、見本を見せながら一緒に行う、道具を使いやすいものに変える、時間にゆとりを持たせる、できた部分を具体的に褒めるなど、少しの工夫で取り組みやすくなることがあります。
「全部できたね」だけでなく、「最後までボールを見られたね」「前より姿勢が安定していたね」「昨日より少し早く準備できたね」と、過程を認める声かけも大切です。
このような関わりを積み重ねることで、お子さまは「自分にもできることがある」「少しずつ上手になっている」と感じられるようになります。
成功体験は、運動面の成長だけでなく、自己肯定感にもつながります。自信がつくことで、新しい活動にも挑戦しやすくなり、学校生活や日常生活の中での前向きな姿にもつながっていきます。
運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、お子さま一人ひとりの得意・不得意を丁寧に見ながら、「できないことを直す」のではなく、「その子に合ったやり方を一緒に見つける」ことを大切にしています。
小さな「できた!」を積み重ねることが、お子さまの大きな自信につながっていきます。

次回は「どんなサインに気づけばいいの?」
発達性協調運動症(DCD)は、「不器用」という一言では片付けられない特性です。
早く知ることで、お子さまに合った支援につながる可能性があります。
次回は、「もしかしてDCD?家庭や学校で見られるサイン」について詳しくご紹介します。
お子さま一人ひとりに合わせた支援を大切にしています
運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、お子さま一人ひとりの発達段階や特性に合わせた運動療育を行っています。

「体を動かすことが苦手」「学校生活で困りごとがある」「運動に自信を持ってほしい」など、さまざまなご相談に対応しています。
見学や体験利用も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ・見学はこちら

📞 お電話でのお問い合わせ:06-6773-9583(運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉)
🌐 ウェブからのお問い合わせ:お問い合わせフォームはこちら
見学や体験利用のご相談も受け付けていますので、お子さまの発達や療育について気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。スタッフ一同、お待ちしております。
