理学療法士の視点で解説|姿勢を育てる家庭でできる遊びと運動療育【第3弾】
遊びの中に、お子さまの成長を支えるヒントがあります
第1弾では、「姿勢が崩れやすい原因」と体幹との関係についてご紹介しました。
第2弾では、「すぐ寝転ぶ」「椅子に座っていられない」といった行動は、単なるやる気や集中力の問題ではなく、体からのサインである可能性についてお伝えしました。
記事を読まれた保護者の方の中には、
「姿勢が崩れる理由は分かったけれど、家庭では何をすればいいの?」
「体幹を鍛えたほうがいいと聞くけれど、どんなことをすればいいの?」
そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では、「子どもの体幹トレーニング」という言葉を目にする機会も増えています。しかし、姿勢を育てるために大切なのは、難しい筋力トレーニングを行うことではありません。
子どもにとって一番の運動は、「楽しい」と感じながら体を動かすことです。
遊びの中で走る、跳ぶ、くぐる、登る、バランスを取るといった経験を積み重ねることで、姿勢を支える力や体の使い方は少しずつ育まれていきます。
今回は、理学療法士の視点も交えながら、ご家庭で無理なく取り入れられる遊びや、運動療育で大切にしていることをご紹介します。
姿勢を育てるために大切なのは「楽しく体を動かすこと」
「体幹を鍛えたい」と考えると、腹筋や背筋などの筋力トレーニングを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、小さなお子さまにとって、筋力トレーニングを繰り返すことは長続きしにくく、「やらされている」と感じることで運動そのものが苦手になってしまうこともあります。
理学療法士が大切にしているのは、「筋肉を鍛えること」だけではなく、遊びを通して自然に体を使う経験を増やすことです。
たとえば、公園で遊具を登る、鬼ごっこで走る、しゃがんで虫を探す、ボールを追いかけるなど、子どもが夢中になって遊ぶ中には、姿勢やバランスを育てる動きがたくさん含まれています。
遊びの中では、「次はどう動こう」「転ばないようにしよう」と自然に考えながら体を使います。このような経験を繰り返すことで、姿勢を支える力や体の動かし方は少しずつ身についていきます。
大切なのは、「鍛えること」を目的にするのではなく、「体を動かすことは楽しい」と感じられる環境をつくることです。
運動が好きになることは、将来にわたって健康な体づくりにつながる大切な第一歩です。

家庭でできる体幹遊び5選
体幹を育てるために特別な器具や難しいトレーニングは必要ありません。
お子さまにとって大切なのは、「頑張って運動すること」ではなく、「遊びながら自然に体を動かすこと」です。
遊びの中には、姿勢を保つ力やバランス感覚、体を思いどおりに動かす力を育てる要素がたくさん含まれています。
ここでは、ご家庭でも気軽に取り入れられる体幹遊びを5つご紹介します。

① クマ歩き
四つ這いの姿勢で膝を床から少し浮かせ、そのまま前へ進む「クマ歩き」は、体幹をはじめ、肩や腕、足など全身を使う遊びです。
お腹や背中の筋肉を使って姿勢を保ちながら進むため、自然と体を支える力が育まれます。
「お父さんクマ」「お母さんクマ」「赤ちゃんクマ」など、親子で動きを変えながら楽しむと、お子さまも夢中になって取り組めます。
競争をしたり、障害物を置いてコースを作ったりすると、さらに楽しく体を動かすことができます。

② ワニ歩き
うつ伏せになり、腕の力を使って前へ進むワニ歩きもおすすめです。
体を支えるために腕や肩、体幹をしっかり使うだけでなく、左右の手を交互に動かすことで、体を協調して使う練習にもなります。
「ワニになって宝物を取りに行こう!」など、遊びの設定を加えると、お子さまも楽しみながら取り組めます。

③ バランス遊び
体幹を育てるには、バランス感覚を養うことも大切です。
例えば、
・片足立ちで何秒立てるかな?
・床にテープを貼って平均台ごっこ
・クッションの上をゆっくり歩く
・でこぼこ道を探して歩く
といった遊びは、ご家庭でも取り入れやすい活動です。
転ばないように体をコントロールしようとすることで、姿勢を保つ力や体のバランスを自然に育てることができます。

④ ボール遊び
ボール遊びは、体幹だけでなく、目と手を協調して使う力やタイミングを合わせる力も育てます。
最初は近い距離でボールを転がし合うことから始め、慣れてきたらキャッチボールへ進めていくと無理なく取り組めます。
風船を使った遊びもおすすめです。
風船はゆっくり落ちてくるため、お子さまが体を動かすタイミングをつかみやすく、成功体験につながりやすい遊びです。

⑤ お手伝いも立派な運動です
「運動」と聞くと特別な時間を作らなければならないと思われるかもしれませんが、日常生活の中にも体幹を使う場面はたくさんあります。
例えば、
・雑巾がけ
・洗濯物を運ぶ
・おもちゃを片付ける
・買い物袋を持つ
・布団を敷く
といったお手伝いも、体を支えながら手足を動かす経験につながります。
「お手伝い」として楽しく取り組めるため、お子さまも達成感を味わいやすく、自信につながる活動になります。
大切なのは、「毎日長時間運動すること」ではありません。
1日5~10分でも、お子さまが楽しみながら体を動かす時間を積み重ねることが、姿勢づくりの第一歩になります。

理学療法士の視点で大切にしていること
同じように姿勢が崩れて見えるお子さまでも、その理由は一人ひとり異なります。
体幹を支える力が育っている途中のお子さまもいれば、バランスを取ることが苦手なお子さま、体の動かし方をイメージしにくいお子さま、疲れやすさが影響しているお子さまもいます。
そのため、「姿勢が悪いから体幹を鍛えましょう」と一つの方法だけで支援するのではなく、なぜ姿勢が崩れるのかという背景を考えることが大切です。
ぽぷらの樹東住吉では、理学療法士の視点も取り入れながら、お子さま一人ひとりの姿勢や体の使い方、運動の特徴を丁寧に見ています。
「座っているときだけ姿勢が崩れるのか」
「走る・跳ぶなどの動きはどうか」
「左右で体の使い方に違いはないか」
「疲れやすい様子はないか」
など、お子さまの様子を総合的に確認し、一人ひとりに合った運動療育を考えています。
また、私たちが大切にしているのは、「できないこと」を繰り返し練習することではありません。
お子さまが「できた!」「楽しい!」と感じられる活動を通して、小さな成功体験を積み重ねることを大切にしています。
成功体験は、自信につながります。
自信が育つと、「もう一回やってみよう」「次はこれにも挑戦してみよう」という前向きな気持ちが生まれます。
その積み重ねが、姿勢や体の使い方だけでなく、自己肯定感や新しいことへ挑戦する力にもつながっていきます。
理学療法士は「運動を教える人」ではなく、お子さま一人ひとりの発達や特性を理解し、その子に合った「できる方法」を一緒に見つけていく存在です。
だからこそ、ご家庭でも「できないこと」に目を向けるのではなく、「今日は昨日より少し長く座れた」「自分から体を動かそうとしていた」といった小さな成長を見つけ、認めてあげることが大切です。
その積み重ねが、お子さまの将来につながる大きな一歩になっていきます。

無理に鍛えるより「続けられること」が大切です
「体幹を鍛えたほうがいい」と聞くと、「毎日運動をしなければ」「苦手なことを繰り返し練習させなければ」と考えてしまう保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さまの成長において大切なのは、短期間で成果を求めることではなく、楽しみながら続けられる環境をつくることです。
例えば、週に一度だけ長時間運動するよりも、毎日5~10分でも体を動かす時間をつくるほうが、無理なく習慣につながりやすくなります。
また、「トレーニング」と考えると、お子さまも「頑張らなければいけない」と感じてしまうことがあります。
そのため、鬼ごっこや公園遊び、ボール遊び、お手伝いなど、日常生活の中で自然と体を動かせる機会を増やすことがおすすめです。
保護者の方も一緒に遊びながら体を動かすことで、お子さまは安心して挑戦しやすくなります。
「できた!」「楽しかった!」という経験は、「またやってみたい」という気持ちにつながり、姿勢や体の使い方だけでなく、自己肯定感を育むことにもつながります。
もちろん、お子さまによって得意なことや苦手なこと、成長のスピードは異なります。
周囲のお子さまと比べるのではなく、「昨日より少し長く座れた」「前よりも楽しそうに体を動かしていた」といった小さな変化を見つけ、一緒に喜ぶことが大切です。
姿勢や体幹は、一日で大きく変わるものではありません。
だからこそ焦らず、お子さまのペースを大切にしながら、楽しみの中で少しずつ「できた!」を積み重ねていきましょう。

お子さまの姿勢や体の使い方で気になることはありませんか?
「姿勢が崩れやすい」「すぐ寝転んでしまう」「体幹を育てたい」など、お子さまの体の使い方で気になることがありましたら、一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。
運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、理学療法士を含むスタッフが、お子さま一人ひとりの発達段階や特性に合わせた運動療育を行っています。

遊びを通して「体を動かすことは楽しい」と感じられる環境の中で、小さな成功体験を積み重ねながら、自信や意欲を育むことを大切にしています。
見学や体験利用では、事業所の雰囲気をご覧いただきながら、お子さまの様子や保護者の方のお悩みについても丁寧にお話を伺います。
お問い合わせ・ご見学はこちら

お電話でのお問い合わせ:06-6773-9583
ウェブからのお問い合わせ:https://www.shirayuri-group-2004.com/contact/
お気軽にご連絡ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
