遊びの中に成長がある──風船リレーで広がる子どもたちの可能性【ぽぷらの樹東住吉】

白ゆりグループ

ぽぷらの樹東住吉で風船リレー!楽しくチャレンジ、協調性と運動能力アップの時間

大阪市東住吉区にある児童発達支援・放課後等デイサービス「ぽぷらの樹東住吉」では、日々さまざまな運動療育プログラムを取り入れ、お子さまの成長をサポートしています。今回はその中でも、特に子どもたちに大人気だった活動「風船リレー」の様子をご紹介します🎈

この日は、室内に新聞紙を広げ、その上に軽くてふわふわの風船を乗せ、2人1組のペアでゴールまで運ぶという“リレー形式”の遊びに挑戦しました。風船はちょっとした風や動きであっちこっちへ動いてしまうため、ただ運ぶだけでも一苦労。バランスをとりながら、落とさないように慎重に、でも楽しく、力を合わせることが必要な遊びです。

活動が始まると、子どもたちの表情は真剣そのもの。「そっち持ってて!」「もうちょっと右!」と声をかけ合う様子や、お互いに歩調を合わせながら進む姿が見られました。途中で風船が落ちてしまっても、「もう一回!」と前向きに再チャレンジする子も多く、笑顔と笑い声が絶えない時間となりました✨

この風船リレーには、楽しさだけでなく、自然に“協調性”や“バランス感覚”“集中力”といった力を育む工夫が詰まっています。遊びながら心と身体を育てる、そんな療育の現場を、ぜひご覧ください。

子どもたちの「困りごと」「もやもや」って?

療育の現場でよく見られるのが、子どもたちが日常生活や遊びの中で感じる「ちょっとした困りごと」や「うまくいかないもやもや」との向き合いです。

例えば、集団活動において「ルールを守ることが難しい」「相手の動きに合わせるのが苦手」「予想外のことが起こるとパニックになってしまう」「身体の動かし方がわからない」といった場面があります。これは決して“わがまま”ではなく、子どもたち一人ひとりが抱える発達の特性によるものです。

今回の風船リレーでも、はじめは新聞紙の上で風船をうまく運べずに戸惑ったり、「なんで落ちちゃうの?」「もうやりたくない」と気持ちが沈んでしまう子もいました。中にはペアのお友だちと呼吸を合わせることが難しく、思わず泣き出してしまう子も…。

でも、そうした「うまくいかない体験」は、私たち支援者にとって大切な気付きのチャンスでもあります。

「どうしたらうまくいくかな?」「じゃあ次はこうしてみようか?」と、一緒に考えたり、少しだけ手助けしたりすることで、子どもたちは失敗を恐れずチャレンジする心を育んでいきます。そして、「やってみたらできた!」「友だちと協力したらうまくいった!」という経験が、やがて大きな自信となって心に残ります。

このような積み重ねこそが、療育の大きな目的であり、ぽぷらの樹東住吉が大切にしている支援のかたちです。

この風船リレーが育てるもの

「風船リレーって、ただの遊びでしょ?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも実はこの活動、子どもたちの発達にとってさまざまな要素が自然と盛り込まれた、とても奥の深い療育プログラムなのです。

ぽぷらの樹東住吉でも大好評のこの取り組み。その理由を、もう少し詳しくご紹介します。

1. 運動能力・バランス感覚の向上

風船はとても軽く、少しの風や体の動きでもふわふわと揺れてしまいます。だからこそ、風船を新聞紙の上に乗せて運ぶには、微細な身体の使い方が求められます。

新聞紙の上を歩くということは、足元にいつもとは違う「動く」「めくれる」「すべる」感覚があり、踏み出す一歩ごとに慎重さが必要。自然と足元を見ながら、重心を調整し、ペアと歩幅を合わせて進む必要があります。

この動きの中に、体幹の安定性やバランス感覚のトレーニングがぎゅっと詰まっています。遊んでいるように見えて、実はしっかりと“体を育てる運動”になっているのです。

2. 目と手の協調性、集中力の養成

風船リレーでは、ただ前を見て歩くだけではなく、常に風船の位置や動きに注意を払う必要があります。風船を目で追いながら、手元の新聞紙を調整し、ペアの動きにも意識を向ける——これはまさに視覚・聴覚・身体感覚を同時に使うマルチタスクのような活動。

その結果、「見る」「動く」「調整する」という一連の動きが滑らかにつながり、目と手の協調性が養われていきます。

さらに、風船がいつ落ちるかわからないという“予測不能な状況”に集中し続けることで、集中力を維持する力も鍛えられていきます。これは学校生活や日常の中でもとても大切な力です。

3. 協調性やコミュニケーションの育み

この活動がユニークなのは、“1人でやる”のではなく、必ずペアで取り組むという点です。お互いの歩幅やテンポを感じ取り、時には「もっとゆっくり」「いいよ、いっしょに行こう」と声を掛け合うやり取りが自然と生まれます。

「ひとりで頑張る」ではなく、「相手と一緒に取り組む」経験は、協調性思いやりの心を育てるうえでとても大切です。

失敗したときに「大丈夫?」と声をかけたり、うまくいったときに「やったね!」とハイタッチするなど、自然なコミュニケーションのチャンスが広がり、友だちとの関係性も深まります。

4. 成功体験と自己肯定感

風船リレーには、達成感を得られる場面がたくさんあります。

「風船を最後まで落とさずにゴールできた!」
「前はうまくできなかったけど、今日は最後までできた!」
「応援してくれた友だちのおかげで頑張れた!」

こうした小さな成功体験の積み重ねが、「できた!」「やればできる!」という自己肯定感を育てていきます。

また、失敗しても「もう一回やってみよう」と立ち上がる気持ちは、“挑戦する力”そのものです。療育では、この「成功の喜び」と「失敗からの立ち直り」の両方を大切にしています。

5. 感覚統合の促進

風船という素材は、触ったときのふんわり感や風に揺れる不規則な動きなど、感覚を刺激する要素がたっぷり詰まっています。これに新聞紙の「ガサガサ」という音や感触が加わることで、視覚・触覚・聴覚・身体感覚が総動員される活動になります。

こうした多感覚を同時に使う体験は、感覚統合の力を伸ばす上で非常に有効とされています。感覚の過敏さや鈍さがあるお子さまでも、楽しみながら“ちょうどいい刺激”に触れることで、日常生活でのストレス軽減にもつながります。

風船リレーは、子どもたちが夢中になれる“遊び”でありながら、その裏には発達を支える多くの工夫と意図があります。だからこそ、ぽぷらの樹東住吉ではこのような活動を通じて、一人ひとりの成長をじっくりと応援しているのです。

活動の様子と子どもたちの声

風船リレーが始まると、子どもたちの表情には少し緊張の色が見られました。普段の運動とは違い、風船がふわふわと不安定に動くことで、想像以上に難しさを感じる子もいたようです。

ペアで新聞紙を持ってスタートしたとき、最初はバランスが取れず、「あっ!」「落ちちゃった!」と笑い声や悔しそうな声が飛び交います。新聞紙の端をしっかり持つこと、足元をよく見て慎重に歩くこと——簡単なようでいて、実は集中力と協力が必要な作業です。

何度か挑戦を繰り返すうちに、子どもたちから「足をそろえて歩こう!」「新聞紙の端を丸めた方が持ちやすいかも」といった声が出はじめ、自然と“試行錯誤”と“アイデアの共有”が生まれてきました。職員が指示を出さなくても、子どもたち同士で工夫しようとする姿は、とても頼もしく感じられました。

リレーが進むにつれ、次のペアを応援する声や、風船を落とさずにゴールできたときの拍手があちらこちらから聞こえてきます。「ナイス!」「いい感じやったね!」と声をかけ合い、まるでチーム競技のような一体感が生まれた瞬間でした。

ある子は、初めて風船を運ぶときは怖がって新聞紙を持とうとしませんでしたが、友だちの応援に背中を押されて挑戦。「一緒に行こうか?」とペアの子が優しく声をかけると、「うん、やってみる」と小さくうなずき、慎重に歩き出しました。ゴールできた瞬間には、大きな拍手と笑顔があふれ、その表情は自信に満ちていました。

活動が終わった後のふりかえりの時間には、「めっちゃ楽しかった!」「またやりたい!」という声が多数。「今度はもっとスピード出してやってみたい!」という意欲的な声もあり、子どもたちにとって、ただの遊びではなく“挑戦の場”になったことを感じさせてくれました。

職員の目から見ても、風船リレーは多くの気付きがある活動でした。「集中力が続く時間が前より長くなった」「ペアの子の動きに合わせようとしていた」「失敗してもへこまずに次に進めていた」など、それぞれの成長を感じる場面がたくさんありました。

こうした体験の一つひとつが、子どもたちの心と体にとっての“成功のかけら”となり、少しずつ積み重なっていくのです。

実践のアドバイス:より良くするための工夫

風船リレーはそのままでも楽しい活動ですが、ちょっとした工夫を加えることで、さらに発達支援としての効果が高まります。実際の支援現場で活かせるアイデアをいくつかご紹介します。

  • 新聞紙の代わりに異なる素材を使ってみる
     新聞紙だけでなく、滑りやすいビニールシートや、厚みのあるマット、軽くてしなやかな布など、素材を変えてみることで難易度を調整できます。素材の違いは、子どもたちに新たな感覚刺激を与えるだけでなく、「どうやってバランスを取るか」を考えるきっかけにもなります。
  • ペアの組み方に変化をつける
     年齢や性格、得意不得意が異なる子ども同士を組ませることで、相手を思いやる気持ちや、教え合い・学び合いが自然と生まれます。「自分だけでなく、相手のペースにも合わせる」という経験は、集団の中での社会性を育てる上で非常に大切です。
  • ゲーム性を取り入れた目標設定をする
     「〇秒以内にゴールしよう!」「最後まで風船を落とさなかったチームに拍手!」といったルールや表彰を加えることで、活動のモチベーションが一気に高まります。達成したときの喜びは、自己肯定感の向上にもつながります。
  • 振り返りの時間を大切にする
     活動後には、子どもたちと一緒に「どうだった?」「難しかったところは?」「次はどうすればもっと上手くできるかな?」と話し合う時間を設けましょう。このプロセスが、活動を“やりっぱなし”にせず、気付きや学びを深める大切な機会になります。自分の工夫を振り返ることで、子どもたちの中に「次はこうしてみたい」という意欲が生まれます。

小さなアレンジの積み重ねが、活動の意味をさらに豊かにし、子どもたち一人ひとりの成長をしっかりと支えていくのです。

まとめとこれから

風船リレーは、「遊び」の中にたくさんの成長の種が詰まっています。
ただ楽しいだけではなく、運動・協調性・集中力・コミュニケーションといった、日常生活でも必要とされる多くの力を、自然に、そして前向きに伸ばすことができる貴重な活動です。

子どもたちは活動を通して、自分の体をどう動かすかを考えたり、相手の気持ちを想像して行動したり、小さな「できた!」を積み重ねていきます。そうした体験のひとつひとつが、これからの成長の土台となっていきます。

これからもぽぷらの樹東住吉では、子どもたちのひとりひとりのペースや特性を大切にしながら、遊びの中に学びがある時間を提供してまいります。子どもたちの笑顔と「またやりたい!」の声を励みに、スタッフ一同、心を込めて支援を続けてまいります。

ぽぷらの樹東住吉でのご案内

ぽぷらの樹東住吉では、今回ご紹介した風船リレーのように、身体を動かしながら楽しく取り組める活動を通じて、お子さまの発達や成長を支援しています。運動を通じた成功体験や、友だちとの関わりの中で生まれる気づきは、子どもたちの心と体を大きく育ててくれます。

初めての方でも安心してご利用いただけるよう、スタッフが一人ひとりのお子さまに丁寧に寄り添いながら支援を行っています。活動の様子や雰囲気を、ぜひ一度ご覧になってみませんか?

見学や体験利用は、平日・放課後を中心に随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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