放課後等デイサービスでできる強度行動障害への支援とは?安心できる環境づくりと運動療育の実践【第3回】
これまでのシリーズでは、強度行動障害とはどのような状態なのか、そして家庭や支援現場で大切な関わり方についてご紹介しました。
行動だけを見るのではなく、その背景にある「困りごと」や「不安」を理解することが支援の第一歩であることをお伝えしてきました。
では、実際に放課後等デイサービスではどのような支援を行っているのでしょうか。
今回は、運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉で大切にしている支援の考え方や、安心して過ごせる環境づくりについてご紹介します。
強度行動障害への支援で大切なのは「安心できる環境」
強度行動障害のあるお子さまへの支援では、「行動を止めること」や「問題行動を減らすこと」だけを目的にするのではなく、その行動の背景にある不安や困りごとに目を向けることが大切です。
多くの場合、強い行動は「どうしていいかわからない」「うまく伝えられない」「環境が合っていない」といったサインとして現れています。そのため、まずはお子さまが安心して過ごせる環境を整えることが、支援の土台となります。
お子さまが「ここなら大丈夫」「自分を受け入れてもらえる」と感じられることで、心の緊張がゆるみ、落ち着いて過ごせる時間が少しずつ増えていきます。
安心できる環境とは、例えば次のような要素を含みます。
- 活動の流れや見通しがわかりやすく、次に何をするのかが予測できる
- スタッフが一貫した関わり方を行い、信頼関係が築かれている
- 困ったときに「助けて」と伝えられる方法が用意されている
- 刺激が強すぎない空間で、自分のペースを保てる
- 気持ちが高ぶったときに落ち着ける場所や時間が確保されている
こうした環境が整うことで、お子さまは「頑張らなくても安心していられる場所」を持つことができます。

安心感が生まれると、不安や緊張がやわらぎ、結果として強い行動が減っていくことも少なくありません。また、落ち着いた状態で過ごせる時間が増えることで、新しいことに挑戦したり、人との関わりを楽しんだりする余裕も生まれてきます。
つまり、「安心できる環境づくり」は、すべての支援の出発点であり、お子さまの成長を支える最も重要な基盤なのです。

一人ひとりに合わせた支援計画
強度行動障害の現れ方は、お子さまによって大きく異なります。同じように見える行動でも、その背景にある理由や感じている不安は一人ひとり違います。
そのため、同じ支援方法を全員に当てはめるのではなく、「その子にとって何が必要か」を丁寧に見極めることがとても重要です。
ぽぷらの樹東住吉では、まずお子さまの様子をしっかり観察し、以下のようなポイントを細かく確認していきます。
- どのような場面で不安や混乱が強くなるのか(例:活動の切り替え時、人が多い場所など)
- どのような環境であれば落ち着いて過ごせるのか(静かな空間、見通しのある活動など)
- どのような声かけや伝え方が理解しやすいのか(短い言葉、視覚的な提示など)
- 好きな活動や得意なことは何か(興味関心を活かした関わり)
- 気持ちが高ぶったときに落ち着くための方法は何か(休憩スペースの利用、好きな遊びなど)
これらをもとに、お子さまが安心して過ごせるような支援計画を作成します。

また、支援は一度決めて終わりではありません。日々の様子や成長に合わせて内容を見直し、より良い関わり方へと調整していきます。
さらに、ご家庭や学校とも情報を共有しながら、「どの場面でも安心して過ごせること」を目標に連携を大切にしています。
例えば、事業所でうまくいった声かけや対応方法をご家庭でも取り入れていただいたり、ご家庭での様子をもとに支援内容を見直したりすることで、お子さまにとって一貫した安心感のある環境を整えていきます。
このように、一人ひとりの特性や気持ちに寄り添いながら支援を積み重ねていくことが、安定した生活や成長につながっていきます。

運動療育が持つ大切な役割
ぽぷらの樹東住吉では、運動療育を取り入れた支援を行っています。

運動療育とは、単に身体を動かすだけではなく、「心」と「身体」の両方に働きかける支援方法です。特に強度行動障害のあるお子さまにとっては、気持ちのコントロールや環境への適応をサポートする大切な役割を担っています。
運動には、体力づくりだけではなく、
- 気持ちの切り替えをしやすくする
- 不安や緊張を和らげる
- 集中力を高める
- 成功体験を積み重ねる
といった効果も期待できます。
例えば、
- サーキット運動(順番に課題をクリアしていく活動)
- バランス運動(体幹や姿勢を整える活動)
- ボール遊び(力加減やタイミングを学ぶ活動)
- リズム運動(音に合わせて身体を動かす活動)
- 集団ゲーム(ルール理解や協力を学ぶ活動)
など、お子さまの発達段階やその日の状態に合わせて内容を調整しながら取り組んでいます。

また、活動の中では「できた」という経験を大切にしています。難しい課題をそのまま行うのではなく、成功しやすい形に工夫することで、お子さまが前向きに取り組めるよう支援しています。
身体を動かすことで気持ちが切り替えやすくなり、興奮状態から落ち着きを取り戻しやすくなるお子さまも多く見られます。特に、言葉で気持ちを表現することが難しいお子さまにとっては、運動が感情を発散する手段になることもあります。
さらに、順番を待つことや友だちと協力する経験を積み重ねることで、「待つ」「譲る」「一緒に取り組む」といった社会性やコミュニケーション力を自然に身につけていくことにもつながります。
このように運動療育は、お子さまの心身の安定を支えながら、日常生活に必要な力を育てていく重要な支援のひとつです。

小さな成功体験が自信につながる
支援の中で私たちが大切にしているのは、「できなかったこと」ではなく、「できたこと」に目を向けることです。
強度行動障害のあるお子さまは、日常生活の中で「うまくいかなかった経験」や「注意される経験」が積み重なりやすく、自信を持ちにくい状態になっていることがあります。そのため、どんなに小さなことでも「できた」という経験を丁寧に見つけ、しっかりと認めていくことがとても重要です。
例えば、
- 最後まで活動に参加できた
- 自分から「手伝って」と伝えられた
- 気持ちを切り替えることができた
- 友だちと一緒に遊ぶことができた
といった一つひとつの行動は、お子さまにとって大きな一歩です。
私たちは、その瞬間を見逃さず、「できたね」「頑張ったね」と具体的に言葉で伝えることを大切にしています。そうすることで、お子さま自身が「自分はできる」という感覚を少しずつ持てるようになります。
また、成功体験は一度きりで終わらせるのではなく、繰り返し経験できるように環境や活動内容を工夫しています。無理のないステップで取り組めるようにすることで、安心して挑戦できる機会を増やしています。
こうした小さな成功体験の積み重ねは、お子さまにとって大きな自信となり、「またやってみよう」という前向きな気持ちを育てます。そしてその意欲が、新しいことへの挑戦や、できることの広がりへとつながっていきます。

ご家庭との連携を大切にしています
お子さまの成長を支えるためには、ご家庭との連携が欠かせません。
ぽぷらの樹東住吉では、日々の様子や成長したことをお伝えするだけでなく、ご家庭でのお悩みや困りごとについても丁寧にお話を伺い、一緒に解決方法を考えていくことを大切にしています。
例えば、
「最近こんなことで困っている」
「家ではこんな様子が見られる」
「こういう時にどう対応したらいいかわからない」
といったご相談をいただくことも多くあります。
こうした情報を共有していただくことで、事業所でも同じ視点を持って支援を行うことができ、お子さまにとって一貫した関わりを提供することが可能になります。
また、事業所で効果があった関わり方や声かけの工夫を具体的にご家庭へお伝えすることで、ご家庭でも安心して対応できる場面が増えていきます。
さらに、送迎時の会話や必要に応じた面談などを通して、日々の小さな変化や成長を共有しながら、お子さまにとってより良い環境づくりを一緒に進めていきます。
ご家庭と事業所が同じ方向を向いて支援を行うことで、お子さまはより安心して過ごすことができ、自信や意欲の向上にもつながっていきます。

お子さまの可能性を信じて支援を続けます
強度行動障害があるからといって、成長の可能性が限られるわけではありません。
むしろ、適切な環境と関わり方が整うことで、お子さまは安心して自分の力を発揮できるようになり、これまで難しかったことにも少しずつ挑戦できるようになります。
例えば、最初は活動に参加することが難しかったお子さまが、短い時間から参加できるようになったり、自分の気持ちを言葉や行動で伝えられるようになったりと、小さな変化が積み重なっていきます。
こうした変化は一見ゆっくりに見えるかもしれませんが、お子さまにとっては大きな一歩です。
私たちは、その一つひとつの成長を大切にし、「できた」という経験を積み重ねることで、自信や安心感につなげていきたいと考えています。
また、お子さまの「できる」は日々変化していきます。昨日できなかったことが今日できるようになることもあれば、逆にうまくいかない日もあります。
だからこそ、その日の状態や気持ちに寄り添いながら、無理のないペースで支援を続けていくことが大切です。
私たちは、お子さま一人ひとりの特性やペースを尊重しながら、その子らしい成長を支えていきます。
そして、保護者様と情報を共有しながら、一緒に悩み、一緒に喜び、お子さまの未来を見据えた支援を行っていきたいと考えています。
お子さまの可能性を信じ、その力を引き出すお手伝いをこれからも続けていきます。

まずはお気軽にご相談ください
運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、強度行動障害をはじめ、お子さま一人ひとりの特性に合わせた支援を行っています。

「子どもに合う支援を探している」「放課後等デイサービスについて詳しく知りたい」という方は、ぜひ一度見学やご相談にお越しください。
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