負けると怒る・泣く子どもにどう声をかける?気持ちを整えるための関わり方【第2弾】

白ゆりグループ

「負けたくらいで怒らないの!」と言ってしまうことはありませんか?

家族でゲームをしていたら、負けた瞬間に大泣き。

「ずるい!」

「もうやらない!」

と怒り出し、カードやゲームの道具を投げてしまう。

友達との遊びでも、自分が負けそうになると途中で抜けてしまう。

そんな姿を見ると、

「負けたくらいでそんなに怒らなくても…」

「ちゃんと最後までやりなさい」

「みんな楽しく遊んでいるのに」

と声をかけたくなることもありますよね。

特に、同じことが何度も続くと、

「これから友達と遊べるのかな?」

「負けることにも慣れさせたほうがいいのかな?」

と心配になる保護者の方もいらっしゃるでしょう。

第1弾では、子どもが負けると怒ったり泣いたりする背景には、「勝ちたい」という気持ちだけではなく、悔しさをうまく言葉にできないこと、失敗への不安、思っていた結果と違ったことへの戸惑いなど、さまざまな理由が考えられることをご紹介しました。

では、実際に目の前でお子さまが大泣きしたり怒ったりしたとき、大人はどうすればよいのでしょうか。

今回の第2弾では、負けたときの気持ちを整えていくための声かけと関わり方を、具体的な場面とともに考えていきます。

まずは「悔しかった」という気持ちを受け止める

ゲームで負けた直後、お子さまが泣き出したとします。

そんなとき、

「泣かないの!」

「ゲームなんだから仕方ないでしょ」

「負けることだってあるよ」

と、すぐに気持ちを切り替えさせようとしてしまうことがあります。

もちろん、大人が伝えている内容自体は間違いではありません。

ゲームには勝ち負けがありますし、毎回勝てるわけではありません。

ただ、負けた直後のお子さまにとっては、正しい説明より先に、

「悔しかった」

という気持ちが大きくなっていることがあります。

そんなときは、

「負けて悔しかったね」

「勝ちたかったんだね」

「もう少しで勝てそうだったから悔しいね」

と、まず気持ちを言葉にしてみましょう。

これは、「泣けば何でも許される」という意味ではありません。

また、「子どもの言うことをすべて受け入れる」ということでもありません。

気持ちを受け止めることと、行動をすべて認めることは別です。

悔しいと感じることは受け止める。

そのうえで、してはいけない行動については別に伝える。

この二つを分けて考えることが大切です。

「悔しい」はOK。でも物を投げることは止める

負けたことが悔しくて泣く。

「もう一回やりたい!」と強く言う。

こうした感情そのものを無理に止める必要はありません。

しかし、

カードを投げる。

ゲームを壊そうとする。

相手を叩く。

物を蹴る。

といった行動が出た場合は、安全のためにも止める必要があります。

例えば、

「悔しかったね。でもカードは投げないよ」

「怒っているんだね。でも叩くのは止めよう」

と、短く伝えます。

ポイントは、

「怒ることがダメ」ではなく、「してはいけない行動」を具体的に伝えることです。

「そんなことで怒らない!」

と言われても、お子さまはすぐに怒りそのものを消すことはできません。

それよりも、

「悔しいときは『悔しい』って言っていいよ」

「少し離れて休もう」

「ぎゅっと手を握ってみよう」

など、怒ったときに取れる別の行動を少しずつ経験していくことが大切です。

感情が大きくなっているときは、説明しすぎない

大泣きしているときに、

「ゲームなんだから勝つ人も負ける人もいるでしょう」

「○○ちゃんだってさっき負けても泣かなかったよ」

「最初に負けても怒らないって約束したよね?」

と説明したくなることがあります。

しかし、気持ちが大きく乱れているときには、長い説明を受け止める余裕がない場合があります。

大人が一生懸命説明するほど、

「分かってる!」

「うるさい!」

と、さらに感情が大きくなってしまうこともあります。

そんなときは、

「悔しかったね」

「少し休もう」

「落ち着いてから話そう」

など、短く分かりやすい言葉で十分な場合があります。

ゲームのルールや次回どうするかについて話すのは、落ち着いてからでも遅くありません。

気持ちが大きくなっているときは落ち着くことを優先し、話し合いはその後にする。

この順番を意識してみましょう。

「ずるい!」と言ったときはどうする?

自分が負けた瞬間、

「ずるい!」

「本当は僕が勝ってた!」

「今のなし!」

と言うお子さまもいます。

大人からすると、

「ずるくないよ!」

「負けたことを認めなさい!」

と言いたくなるかもしれません。

もちろん、本当にルール違反がなかったのであれば、「ずるかった」と認める必要はありません。

一方で、「ずるい!」という言葉の奥には、

「負けたのが悔しい」

「結果を受け入れたくない」

「どう気持ちを表現すればいいか分からない」

という思いが隠れていることもあります。

そんなときは、

「ずるいって思うくらい悔しかったんだね。でも、今回はこのルールで○○ちゃんの勝ちだよ」

と、気持ちと事実を分けて伝える方法があります。

気持ちは否定しない。

でも、結果まで変える必要はない。

この線引きが大切です。

他の子と比べないようにしましょう

「○○ちゃんは負けても怒らないよ」

「弟のほうがちゃんとできてるよ」

「もう小学生なんだから泣かないの」

こうした言葉は、つい出てしまうことがあります。

保護者の方としては、

「少し頑張ってほしい」

「もう少し成長してほしい」

という思いから出る言葉かもしれません。

しかし、他の子と比べられることで、

「自分はできない」

「負ける自分は恥ずかしい」

という気持ちが強くなってしまうこともあります。

比べるのであれば、他の子ではなくその子自身の以前の姿に目を向けてみましょう。

「前は途中でやめていたけど、今日は最後までできたね」

「今日は『悔しい』って言えたね」

「泣いたけど、自分で戻ってこられたね」

こうした変化は、勝った・負けたという結果だけでは見えない大切な成長です。

「じゃあ、もう一回!」をどこまで受け入れる?

負けた直後、

「もう一回!」

と言われることもあります。

一度ならともかく、負けるたびに、

「勝つまでやる!」

となると、保護者の方も困りますよね。

毎回、子どもが勝つまでゲームを続ける必要はありません。

例えば始める前に、

「今日は3回やったら終わりにしよう」

と回数を決めておく方法があります。

3回終わったら、たとえ負けていても終了します。

ここでも、

「負けたから終わり」

ではなく、

「最初に3回って決めたから今日はここまでだよ」

と、事前に決めたルールを基準にすることがポイントです。

「もう一回やりたい」という気持ちは受け止めながらも、毎回結果によってルールを変えないことで、少しずつ「終わり」を経験していくことができます。

わざと勝たせたほうがいいのでしょうか?

「負けると毎回怒るなら、最初は勝たせたほうがいい?」

これは迷いやすいところです。

いつも大人が本気で勝ち続ける必要はありませんし、反対に、毎回必ず子どもを勝たせる必要もありません。

大切なのは、勝つ経験と負ける経験のどちらも、無理のない形で積み重ねていくことです。

例えば、まだルールに慣れていない遊びなら、大人がヒントを出したり、ルールを簡単にしたりして、「できた」「楽しかった」と感じられる機会をつくることもできます。

一方で、遊びに慣れてきたら、勝ったり負けたりする経験も少しずつ取り入れていきます。

目指したいのは、

「絶対に負けさせないこと」

でも、

「負けるまで徹底的に勝負すること」

でもありません。

勝敗があっても、遊びそのものを楽しめる経験を増やしていくことです。

落ち着いた後に「次はどうする?」を一緒に考える

怒ったり泣いたりした後、落ち着いてきたら、その場面を簡単に振り返ることもできます。

ただし、

「さっき何であんなことしたの?」

と責めるように聞く必要はありません。

例えば、

「さっき負けてすごく悔しかったね」

「次に同じくらい悔しくなったら、どうしようか?」

と一緒に考えます。

選択肢を提示してもよいでしょう。

「『悔しい!』って言う?」

「少し休憩する?」

「お水を飲みに行く?」

「大人に『ちょっと休みたい』って言う?」

お子さま自身が選べる「気持ちを整える方法」を少しずつ増やしていきます。

最初から一人でできる必要はありません。

大人と一緒に、

「今は休憩しよう」

「悔しいって言ってみようか」

と経験しながら、少しずつ自分に合った方法を見つけていけばよいのです。

できなかったことより「少しできたこと」を見つける

負けた後に大泣きした。

怒ってしまった。

「ずるい!」と言った。

そうした行動が目立つと、「今日もダメだった」と感じてしまうことがあります。

しかし、その場面を少し細かく見てみると、以前とは違う部分があるかもしれません。

前はカードを投げていたけれど、今日は投げなかった。

前は10分泣いていたけれど、今日は少し早く戻れた。

前は「もうやらない!」だけだったけれど、今日は「負けて悔しい」と言えた。

前はゲームそのものを避けていたけれど、今日は参加できた。

これらも立派な変化です。

お子さまに伝えるときも、

「負けたのに泣かなかったね」

だけではなく、

「悔しかったけど、最後まで参加できたね」

「怒ったけど、カードは投げなかったね」

「自分で少し休めたね」

など、何ができたのかを具体的に伝えることを意識してみましょう。

「負けても怒らない」という大きな目標だけではなく、その途中にある小さな変化を見つけることが大切です。

大人も毎回完璧に対応しなくて大丈夫です

子どもが負けるたびに大泣きしたり、怒ったりする状況が続けば、大人も疲れます。

毎回、

「気持ちを受け止めなきゃ」

「冷静に対応しなきゃ」

と思っていても、忙しい日や疲れている日には、

「もうゲームやめて!」

と言ってしまうこともあるでしょう。

大切なのは、一度強く言ってしまったからすべてが台無しになる、と考えないことです。

落ち着いてから、

「さっきはお互いに怒っちゃったね」

「次はどうしたら遊びやすいかな」

と話すこともできます。

親子で試しながら、

「この子は負けた直後に話しかけすぎないほうがいいな」

「少し休むと戻りやすいな」

「ゲームの回数を先に決めておくと終わりやすいな」

と、その子に合った関わり方を少しずつ見つけていきましょう。

「悔しい」をなくすのではなく、付き合い方を増やしていきましょう

負けて悔しい。

勝ちたかった。

もう一回やりたい。

こうした気持ちは、なくさなければならないものではありません。

一生懸命だからこそ悔しいこともあります。

大切なのは、その悔しさが生まれたときに、

物を投げる以外にも、

「悔しい」と言葉にする。

少しその場を離れる。

深呼吸する。

大人に助けを求める。

もう一度挑戦する。

今日は終わりにする。

など、いろいろな選択肢を持てるようになることです。

すぐにできるようになる必要はありません。

大人に手伝ってもらいながら気持ちを整える経験を重ね、それが少しずつ自分でできることにつながっていきます。

「また怒った」だけではなく、

「今日はどこまでできたかな?」

という視点で、小さな変化を一緒に見つけていきましょう。

次回は遊びの中で「負けても大丈夫」を経験する工夫をご紹介します

第1弾では、子どもが負けると怒る・泣く背景について。

今回の第2弾では、実際に負けて感情が大きくなったときの声かけや関わり方についてご紹介しました。

そして第3弾では、さらに実践的に、

「遊びの中で、どうやって勝ち負けを経験していけばいい?」

というテーマを取り上げます。

勝敗だけに注目しない遊び方。

ルールを調整する工夫。

協力するゲーム。

「勝った・負けた」以外の部分を認める声かけ。

ゲームを始める前にできる準備。

など、ご家庭でも取り入れやすい方法をご紹介します。

「負けても平気にする」のではなく、「負けて悔しくても、その後どうすればいいか分かる」経験を増やすことを一緒に考えていきましょう。

お子さまの「悔しい気持ち」への関わり方、一緒に考えてみませんか?

運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、お子さま一人ひとりの発達や特性に合わせながら、遊びや活動を通してさまざまな経験を積めるよう支援しています。

「負けると大きく怒ってしまう」

「失敗を嫌がって挑戦したがらない」

「友達とのゲームでトラブルになりやすい」

「気持ちを言葉で伝えることが難しい」

など、お子さまとの関わりについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、「勝てた・できた」という結果だけでなく、挑戦すること、順番やルールを経験すること、自分の気持ちを伝えることなど、一つひとつの経験を大切にしています。

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