子どもがゲームで負けると怒る・泣くのはなぜ?「負けを受け入れられない」気持ちを考える【第1弾】

白ゆりグループ

「負けただけなのに、どうしてそんなに怒るの?」と感じることはありませんか?

家族でトランプをしていたら、負けた瞬間にカードを投げてしまった。

じゃんけんで負けただけなのに、大泣きして「もうやらない!」と言ってしまう。

ゲームで負けそうになると、途中でやめてしまう。

友達との勝負で負けると、「ずるい!」と怒ってしまう。

このような姿を見て、

「負けたくらいで、そんなに怒らなくても…」

「もっと負けることに慣れてほしい」

「このままで友達とうまく遊べるのかな?」

と心配になったことはありませんか?

特に、遊びのたびに怒ったり泣いたりすることが続くと、保護者の方も「どう対応すればいいんだろう」と悩んでしまいますよね。

しかし、子どもが負けたときに怒ったり泣いたりする理由は、単に「わがままだから」「負けず嫌いだから」という一言だけでは説明できません。

負けたことが悔しい。

勝ちたかった。

失敗したところを見られたくない。

「負けた自分はダメ」と感じてしまう。

思っていた結果と違って混乱する。

悔しい気持ちをどう表現すればいいのか分からない。

同じ「負けて怒る」という行動でも、その背景にある気持ちは一人ひとり違います。

今回の記事では、子どもがゲームや遊びで負けると怒る・泣く背景について、日常で見られる場面を交えながら考えていきます。

「負けたくない!」と思うこと自体は悪いことではありません

まず知っておきたいのは、「勝ちたい」「負けたくない」と思うこと自体が悪いわけではないということです。

大人でも、スポーツやゲームで勝てばうれしいですし、一生懸命取り組んだのに負ければ悔しく感じます。

子どもも同じです。

「絶対勝ちたい!」

「今度こそ1番になりたい!」

という気持ちは、遊びや活動へ一生懸命取り組む力になることもあります。

問題になるのは、「悔しいと感じること」そのものではなく、その強い気持ちをどう受け止め、どう表現するかです。

例えば、同じようにゲームで負けても、

「悔しい!もう一回やろう!」

と言える子もいれば、

カードを投げる。

相手を責める。

大泣きする。

その場から離れる。

ゲームそのものを壊そうとする。

といった行動につながる子もいます。

まだ自分の感情を十分に言葉で表現することが難しい場合、「悔しい」という気持ちが、怒る・泣くといった行動として大きく表れることがあります。

そのため、まずは「怒らないようにさせる」ことだけを目標にするのではなく、

「この子は今、どんな気持ちなのだろう?」

と考えることが大切です。

「負けた=自分がダメ」と感じてしまうことも

負けたときの受け止め方は、子どもによって違います。

「今回は負けたけど、次また頑張ろう」

と思えることもあれば、

「負けた」

↓

「できなかった」

↓

「自分はダメなんだ」

と、結果と自分自身の評価を強く結びつけてしまうこともあります。

例えば、普段から失敗することをとても嫌がったり、

「できないからやらない」

「間違えたくない」

「1番じゃないと嫌」

「どうせ僕はできない」

といった言葉が多かったりする場合です。

そのようなお子さまにとっては、単なるゲームの「負け」であっても、大人が想像する以上に大きな出来事として感じられている可能性があります。

大切なのは、

「負けた=ダメ」ではないことを、日々の経験の中で少しずつ知っていくことです。

負けても楽しかった。

失敗してももう一度できた。

勝てなかったけれど最後まで参加できた。

昨日できなかったことが今日は少しできた。

こうしたさまざまな経験が、「結果だけがすべてではない」という感覚につながっていきます。

「思っていた結果と違う」ことを受け入れるのが難しい場合もあります

ゲームを始める前から、

「今日は絶対に僕が勝つ!」

と思っていたとします。

ところが、実際には負けてしまった。

すると、

自分が思い描いていた結果と、実際に起きた結果が違う

という状況になります。

この「思っていたことと違う」という状況への対応が難しいお子さまもいます。

これは勝負だけに限りません。

例えば、

「公園へ行くと思っていたのに雨で行けなくなった」

「いつもの道で帰ると思っていたのに違う道になった」

「自分が最初にやると思っていたのに友達が先だった」

といった予定変更でも、同じように強く戸惑うことがあります。

負けたときに怒る背景にも、

「勝ちたかった」という悔しさだけでなく、

「自分が想像していた結果と違ったことへの戸惑い」

が重なっている場合があります。

「負けること」だけを見るのではなく、その子が予想外の出来事をどのように受け止めているのかを見ることも、お子さまを理解するヒントになります。

「悔しい」をうまく言葉にできないこともあります

大人であれば、

「負けて悔しかった」

「もう少しで勝てそうだったから残念だった」

「失敗したところを見られて恥ずかしかった」

など、自分の気持ちをある程度言葉にできます。

しかし、子どもは必ずしも自分の気持ちを整理して説明できるとは限りません。

本人の中では、

悔しい。

悲しい。

恥ずかしい。

もう一回やりたい。

負けたことを認めたくない。

相手がうらやましい。

といった複数の気持ちが重なっているかもしれません。

それをうまく言葉にできず、

「ずるい!」

「もう嫌!」

「○○くんのせい!」

という言葉や、泣く・怒るといった行動として表れることがあります。

そんなとき、行動だけを見て、

「怒らないの!」

と止めるだけでは、お子さま自身も「じゃあ、この気持ちはどうしたらいいの?」と困ってしまうことがあります。

「勝ちたかったんだね」

「負けて悔しかったんだね」

「もう少しで勝てそうだったから、余計に悔しかったのかな」

など、大人が気持ちを言葉にしてみることが、お子さま自身の感情を知るきっかけになる場合があります。

「負けるくらいなら、最初からやらない」という姿もあります

負けたときに怒ったり泣いたりする子だけが、「負けることが苦手」なわけではありません。

中には、

「それやらない」

「どうせ負けるから嫌」

「見てるだけでいい」

と、勝負のある遊びそのものを避けるお子さまもいます。

また、ゲームを始めても、自分が負けそうになると途中で、

「もうやめる」

と言って抜けてしまうこともあります。

大人から見ると、「最後までやればいいのに」と感じるかもしれません。

しかし、その子にとっては、負けたときに感じる悔しさや失敗感を避けるために、「参加しない」「途中でやめる」という方法を選んでいる可能性もあります。

そのような場合に、

「逃げたらダメ!」

「最後まで絶対やりなさい!」

と参加だけを強く求めても、勝負そのものへの苦手意識が強くなることがあります。

まずは、

「この子は何が嫌なのだろう?」

と考えてみることが大切です。

負けることが嫌なのか。

人に見られることが嫌なのか。

ルールが分からなくて不安なのか。

失敗したときに笑われると思っているのか。

背景が違えば、必要な関わり方も変わります。

たくさん負ければ慣れる」とは限りません

「負けるのが苦手なら、何度も負ける経験をさせれば慣れるのでは?」

と考えることもあるかもしれません。

しかし、ただ負ける経験を繰り返せば、必ず負けを受け入れられるようになるとは限りません。

例えば、毎回大人が本気で勝ち続け、そのたびに子どもが大泣きして終わっていたら、

「ゲーム=負ける」

「負ける=嫌な気持ちになる」

「だからゲームはやりたくない」

という経験が積み重なる可能性もあります。

反対に、子どもを絶対に勝たせ続ければよい、ということでもありません。

いつも自分が勝つ経験だけでは、友達との遊びなどで実際に負けたときに、大きく戸惑うことも考えられます。

大切なのは、勝ったり負けたりしながらも「遊びそのものを楽しめた」という経験を積んでいくことです。

負けたけれど最後まで参加できた。

悔しかったけれど「もう一回」と言えた。

相手が勝ったときに、その場にいられた。

怒ったけれど、少し休んでから戻れた。

こうした小さな経験も大切にしていきましょう。

勝ち負け以外の「できた」にも目を向けてみましょう

勝負のある遊びでは、どうしても、

勝った=成功
負けた=失敗

という見方になりやすくなります。

しかし、遊びの中には勝敗以外にもたくさんの「できた」があります。

例えば、

順番を待てた。

ルールを守れた。

最後までゲームに参加できた。

負けそうでも途中でやめなかった。

相手の番を待てた。

「悔しい」と言葉で伝えられた。

負けた後にもう一度参加できた。

こうした姿も、お子さまの大切な一歩です。

「今日は勝ったね!」だけではなく、

「最後までできたね」

「順番を待てたね」

「悔しかったけど、カードを片付けられたね」

など、結果以外の部分を具体的に言葉にすることで、お子さま自身も「勝つこと以外にも大切なことがある」と気づくきっかけになります。

「負けても平気な子」にすることだけが目標ではありません

負けてもまったく悔しがらないことが、必ずしもゴールではありません。

一生懸命取り組んだからこそ、負けて悔しい。

勝ちたかったから、悲しい。

そう感じることも大切な経験です。

目指したいのは、悔しさをなくすことではなく、

悔しいときに、自分なりの方法で気持ちを整えていく経験を重ねること。

「悔しい」と言える。

少し休める。

もう一度やってみる。

今日はやめて、また次に挑戦する。

相手が勝ったことを少しずつ受け止められる。

そうした経験を一つずつ増やしていくことが大切です。

昨日は負けた瞬間にゲームを投げてしまったけれど、今日は「悔しい!」と言えた。

前は途中で逃げていたけれど、今日は最後まで参加できた。

大泣きしたけれど、落ち着いた後にもう一度遊べた。

大人から見ると小さな変化でも、お子さまにとっては大切な一歩かもしれません。

「また怒った」とできなかったところだけを見るのではなく、

「前と比べて何か変わったところはないかな?」

という視点も持ちながら、お子さまの成長を見ていきましょう。

次回は「負けて怒った・泣いたとき」の具体的な関わり方をご紹介します

今回は、子どもがゲームや遊びで負けると怒ったり泣いたりする背景について考えてきました。

同じ「負けた」という出来事でも、

悔しい。

失敗したくない。

思っていた結果と違った。

気持ちをうまく言葉にできない。

負けた自分を「ダメ」と感じてしまう。

など、その背景は一人ひとり異なります。

だからこそ、

「負けたくらいで泣かないの!」

「怒るならもうゲームしないよ!」

と行動だけを止める前に、

「今、この子は何に困っているのだろう?」

と考えることが、関わり方を見つける第一歩になります。

第2弾では、

「負けて大泣きしたら、まず何と声をかける?」

「『ずるい!』と言ったときは?」

「物を投げたときは気持ちを受け止めるだけでいい?」

「わざと勝たせたほうがいい?」

といった保護者の方が迷いやすい場面を取り上げながら、負けて怒る・泣く子どもへの具体的な声かけと関わり方をご紹介します。

お子さまの「悔しい気持ち」との付き合い方を一緒に考えてみませんか?

運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、お子さま一人ひとりの発達や特性に合わせながら、活動や遊びを通してさまざまな経験を積めるよう支援しています。

「ゲームで負けると怒ってしまう」

「失敗をとても嫌がる」

「勝負になると参加したがらない」

「友達との遊びで感情が大きくなりやすい」

など、お子さまとの関わりについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

運動療育型児童デイぽぷらの樹東住吉では、お子さまの「できた」だけではなく、挑戦することや気持ちを伝えることなど、一つひとつの経験を大切にしながら支援しています。

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